ブランドストーリー

2017.05.09

「ボンカレー」がじゃがいも・たまねぎ・にんじんの国産化にこだわったワケ

2016年2月、「ボンカレーゴールド」の具材に使用する野菜をすべて国産に切り替え、「ボンカレー」の主要商品すべてが「国産じゃがいも・たまねぎ・にんじん使用」になりました。大塚食品でボンカレーのマーケティングを担当する金子忠晴に、具材の国産野菜化に踏み切った理由と、どのように実現にこぎ着けたのかを聞きました。

企業理念に沿った取り組みを加速させる

——「ボンカレー」の主要商品のすべてが「国産じゃがいも・たまねぎ・にんじん使用」になりましたが、その狙いを教えていただけますか。

金子:「食は心にはじまり『美味、安全、安心、健康』を創る」というのが、大塚食品の理念です。これは、どの商品でも貫いていく考え方。そこで、「ボンカレー」でさらにこれを確実にするために、今何ができるかと考えた結果が、具材に使用する野菜を国産にすることでした。

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理念にある「美味」は、「ボンカレー」発売以来、新しい商品を出し、個々の商品についての改良を重ね、ずっと追求し続けていることです。さらに、電子レンジ調理対応を実現することで、より生活者のお役に立てるよう利便性についても対応しています。

次に、理念にある「安全、安心」では、もちろん万全な衛生管理体制を作っています。また、じゃがいもの芽取りを手作業で行っていますが、これは食品の安全性に加えて、人が作っている安心感と手作り感にも通じることです。

ただ、レトルト食品全般に言えることですが、保存料を使っているのではないかといった誤解があり、そうした「安全、安心」に関する間違ったイメージが積極的な利用を妨げている面があります。

そこで、さらに「安全、安心」を感じていただける行動が必要だと考えている中、原材料へのこだわりを強めることが重要だと判断しました。これが、具材に使用する野菜を国産にするということです。

最近、小売業や外食産業でも「国産野菜使用」を訴えている例が増えています。それは、生活者が国産野菜を選びたいと考えている結果と言えます。その生活者の要求に、「ボンカレー」も応えるということです。

「安定確保」と「コストアップ」それぞれに対応

——とは言え、具材野菜のすべてを国産でまかなうというのは、食品メーカーとしては容易なことではないように思います。

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金子:実は、じゃがいもとにんじんは国産中心だったのですが、たまねぎも、国産を確実に確保していく体制作りが必要でした。確かにこれは、一筋縄ではいかないことでした。

「ボンカレー」シリーズの年間販売量は相当なものですから、まずそれに見合う量を安定して調達する必要があります。農産物の出来不出来は、どうしても天候に左右されるため、何かが起きても確保できる仕組み作りは簡単ではありません。万一調達できないということになれば、国産野菜と表示したパッケージも使えなくなる。後に引けない話です。

そこで、調達担当が取引先や農協の方々と話しをし、大塚食品の理念と「ボンカレー」への思いをご理解いただき、ご協力頂けることになりました。しかしながら、2016年は、4つの台風が北海道に甚大な被害をもたらしました。現在も影響が御座いますが、取引先様のご支援や国内産地サイクルの調整により、販売を継続することができております。

——農産物は、一般的に外国産のほうが安い傾向がありますが、国産野菜に切り替えることでコストアップになったのではないでしょうか。

金子:それはその通りで、原料コストはアップしました。それに対して、例えば1袋当たりの内容量を減らすという対応方法もあったと思いますが、当社としては一番売れ筋商品だからこそ、これまでの価値を崩さずに新しい付加価値を提供する方法を選びました。

また、他にも解決すべき点はありました。国産のじゃがいも、たまねぎ、にんじん、と言っても、産地や時期ごとに、品種も違い、味などの仕上がりの状態も違います。それらを仕入れて使いながら、出来上がった「ボンカレー」の味は、いつもと変わらぬ美味しさを実現する必要があります。つまり、研究所が産地・品種の影響を受けない、美味しさを表現する取り組みも重要だったわけです。

——ということは、国産野菜を使うことで「ボンカレー」の味は変わったのでしょうか。

国産化する前と比べて、全く同じ味ではありません。よりおいしくなりました。「ボンカレーゴールド」の味の特徴の一つは、丁寧に炒めた玉ねぎが生み出す風味なのですが、これを強調してグレードアップした感じが出ていると思います。

やはり、国産野菜ということで安心していただくだけでなく、「この味が好き」という形で繰り返し買っていただける商品を目指しています。

「ボンカレーなら安心」と思ってもらえるように

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——具材に使用する野菜の国産化を実現して、具体的にどのような反響があったのでしょうか。

金子:市場調査では、やはり「国産野菜使用」が購入のキーワードになって、同じカテゴリーの中で「ボンカレー」を選択された方が増えたという結果も出ています。やはり、「国産野菜使用」は、「ボンカレー」がこれまで訴えてきた「保存料、合成着色料なし」と並ぶ安心キーワードであったと言えるでしょう。

片や、「もともと国産野菜を使用していると思っていた」という人も1割程度いたこともわかりました。そうした認識にもきちんと応える必要がありますから、この取り組みはやってよかったと思っています。マイナスイメージを払拭しつつ、こうしたプラスのイメージにきちんと応えていくことも、大切だと考えています。

とは言え、「ボンカレーは国産野菜を使っている」という理解が浸透している度合いはまだ十分ではありません。今後も、商品パッケージ、Web、イベントなどを通じて訴えていこうと考えています。

今の生活者は、食品を選ぶ際に原材料表示をチェックして選ぶ方も少なくありませんが、いずれは「『ボンカレー』ならいちいち原材料表示を見なくても大丈夫だよね」と信頼いただけるようにしたいと思っています。それを目指して、地道にコミュニケーションを続けていきます。