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【こんなところにボンカレー#4】沖縄で密かに愛され続ける“元祖ボンカレー”

okinawa
沖縄旅行のお土産に珍しいものをもらいました。何と女優の松山容子さんが写っている懐かしのパッケージの「ボンカレー」です。「どこかの倉庫で何十年と眠っていた“骨董品”なのでは?」と思い、賞味期限を確かめてみるとちゃんと最近製造されたものでした。これは一体どういうことなのでしょう。大塚食品の沖縄営業所 所長の塩田央に沖縄の状況を質問してみました。

 

最初に好きになったものを「愛し続ける」

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—沖縄では、昔ながらのパッケージで「ボンカレー」を売っているのですか?

沖縄限定で販売しているものですね。パッケージが懐かしいだけでなく、味も1968年に発売した当時そのままの『ボンカレー』ですよ。

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—現在のスタンダードは「ボンカレーゴールド」ですよね。なぜ沖縄だけオリジナルの「ボンカレー」を売っているのですか?

オリジナル「ボンカレー」の発売は1968年で、最初阪神地区限定から始まって翌年全国発売しました。その後、1978年に家庭的な味から日本人の嗜好の変化に合わせて香辛料やフルーツを贅沢に使った商品として「ボンカレーゴールド」が発売されます。当初は、オリジナルとゴールドの併売でした。

沖縄でも同様にスタートしたのですが、沖縄県の方々は、元々あった商品をずっと買い続けてくださるので、結局オリジナルの「ボンカレー」一本でいくことになったわけです。

 

—沖縄の方がそれほどオリジナルの「ボンカレー」にこだわるのには、何かわけがあるのでしょうね。

あくまで推測ですが、考えられる理由は2つあります。一つは、沖縄のご飯との相性です。沖縄県民はご飯を比較的固めに炊く傾向があります。これは、沖縄県には水の硬度が高い地域があることや、かつては外米を炊いていた歴史も関係があるのでしょう。

それで、食べてみるとわかるのですが、この沖縄のご飯にはドロッとしたとろみの強いカレーが合います。その点、「ボンカレーゴールド」は、オリジナルよりもとろみを抑えていますので、オリジナルが支持されているのかもしれません。

考えられるもう一つの理由は、郷土愛が強く、人でもモノでも長く付き合う県民性です。私はこれが大きな理由に違いないと感じています。「ボンカレー」の沖縄での発売は、全国の他府県での発売の翌年、1970年でした。これは本土復帰の2年前で、その当時国産の食品を食べたことに特別な想いがあり、その最初の出会いをずっと大切にしているのではないでしょうか。

ちなみに「ボンカレー」だけでなく、カップ麺や風味調味料の場合も人気ナンバーワンブランドが、沖縄県は本州など他の地域と違うと言われています。それぞれ、沖縄県で先に発売された商品の方がずっと人気を保ち、利用され続ける傾向があるようです。

 

家に大量にストックされている「ボンカレー」

—沖縄に旅行した人は、沖縄の家庭では「ボンカレー」が大量にストックされていたと言っていたのですが、そういうお宅は多いのでしょうか。

それは、沖縄県の皆さんの「ボンカレー」の買い方として一般的なスタイルだと言えます。他の地域では、カレーが食べたいなと思ったときに「ボンカレー」を買うことも多いと思いますが、沖縄の場合、ほとんどの家庭が「ボンカレー」を常備していると言われています。

理由は割とはっきりしていて、台風が多いためです。台風が来ると家から出づらくなり、買い物にも不自由します。そのとき「ボンカレー」のような常備食があれば助かるわけです。

このため台風が来るという情報が入ると、「ボンカレー」が店頭からなくなるということがあります。もちろん、それではいけないので、私たちも台風情報を見ながら、しっかりお店に行きわたるよう物流に気を遣っているんです。

 

—沖縄の方々にとって「ボンカレー」は、他の都道府県の方々よりもかなり身近なもののようです。ほかにも何かエピソードはあるでしょうか。

以前、キャンペーンの際に「ボンカレー」にまつわる身の回りのエピソードを募集したことがあります。その中で多かった話しの一つが、「ボンカレー」がレトルトカレーの代名詞になっているというものです。

家で「『ボンカレー』があるから食べなさい」と言われて、出してみたら他の銘柄だった、そういうエピソードを書いてくださった方が多かったのです。沖縄では40代以上の人の間で、他社製品も「ボンカレー」と呼んでしまう方が少なくありません。もっとも最近は、若い人はちゃんとレトルトカレーと呼ぶようになってきていますが。

それから、沖縄県は大学進学や就職で地元を離れる人が多い地域ですが、一人暮らしをしていて実家から荷物が届くと、中に「ボンカレー」も入っているということが多いそうです。

 

沖縄では「ボンカレー」がお袋の味

—恐らく、荷づくりするとき手近にあるからということもあるのでしょうけれど、それを受け取って食べる人にとっては、お袋の味の一つになっていると言えそうですね。

そうですね。海外旅行に「ボンカレー」を必ず持って行くという声もよく聞きます。その感覚は、みそ汁がないと落ち着かないという感覚に似ているかもしれません。

そんな風に「ボンカレー」を大事にしてくださり、身近に感じてくださっている沖縄県のみなさんと、その想いに応えてオリジナルの「ボンカレー」を提供し続けている大塚食品とで、両想いの関係を長く続けていけたらと思っています。

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